自動車整備士は稼げる?

憧れの自動車整備士ですが、給料が低いということを耳にする人も多いのではないでしょうか。ここでは自動車整備士の具体的な給料について解説しているので、ぜひチェックしてください。

自動車整備士の平均給料

日本自動車整備振興会連合会が発行する「平成30年度版 自動車整備白書」によると、自動車整備士の給料の平均は45歳で約26万円年収の平均は約391万円です。月の手取りは20万円程度になり、この額だけを見ると給料は低いということを感じるでしょう。

しかし自動車業界に限らず、すべての企業で給料が下がってきているという現状です。厚生労働省が発表した「令和2年賃金構造基本統計調査」では、大企業の平均年収は約377万円、中小企業で約331万円、小企業では約302万円という結果に。いずれも40代前半という年齢の額になります。

会社全体で見ると、自動車整備士に限って給料が低いということはありません。さらに「平成30年度版 自動車整備白書」が表しているデータから、2014年より2018年にかけて、13万円も自動車整備士の平均給与額が上昇しているということはチェックすべきポイントです。

参照元:平成30年度版 自動車整備白書【PDF】(https://www.jaspa.or.jp/Portals/0/resources/jaspahp/member/data/pdf/H30jittaityousa.pdf)

参照元:令和2年賃金構造基本統計調査(企業規模別)【PDF】(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/dl/04.pdf)

自動車整備士の給料が低い
理由

若者の車離れから

近年は若者の車離れが進み、車を持つ人が昔に比べて減少傾向にあります。また、車検も自分で通すユーザー車検を行い、車の維持費を抑えたいという人が増えていることから、自動車整備業界の業績は伸び悩み、整備士の給料の低さに影響しているようです。

しかし、自動車業界の方向には変化が見られます。ガソリンから電気へと車のエネルギーに変化が見られ、これまでより低燃費で長時間の走行が実現しています。その上自動車の安全装備の搭載で、すべての年代が経済的で安全に車を利用できるようになってきました。

さらにより安全性の高い自動運転システムの開発が進められていることから、今後車の需要が増えていくことが考えられ、新しい技術をコントロールする自動車整備士が求められていく可能性は高いです。

また近年中古車市場が活発であることから、車の安全を担う自動車整備士の存在はより重要になっていくでしょう。

参照元:関東工業自動車大学校公式HP(https://kanto-koudai.com/blog/mechanic-income/)

環境設備に費用がかかるから

リフトや大型設備など、車の整備を効率よく行うためには環境設備が欠かせません。しかし設備にかかる費用が高いため、自動車整備士の給料が抑えられてしまう要因の一つになっています。

また、企業によっては設備をリースしている場合があり、設備を維持するための費用が大きいため、従業員の給料アップが難しくなっていることもあります。

設備がないと自動車の整備が難しく、整備士の体に負担がかかってしまうので、整備士の給料を上げるために設備投資を行わないということは、良い選択とはいえないでしょう。

整備工場自体の維持のために、設備に対して補助を受けられるなど、設備費用の問題をクリアしている職場を探してみることも給料の良い仕事に就く方法の一つです。

資格がないから

自動車の簡単な整備は、整備士としての資格がなくても行えるものがあり、こういう仕事は給料が安くなります。

ガソリンスタンドやタイヤ交換、エンジンオイルの交換などは資格を持っていなくても出来る作業です。また板金・塗装も資格が必要ないため、実際に働いている人も整備士の資格を取得していない人が多くいます。

多くの整備工場では仕事内容を分けていますが、資格取得者と無資格者の仕事内容を一緒に募集していることもあります。このことから資格がなくても就職できないわけではありませんが、有資格者と同様の仕事をしてより高い給料を得たいなら、勉強をして資格取得を目指すことが必要です。

このように自動車整備士の給料が安いのは、何かしらの理由があり、自動車業界の傾向や自分の努力次第で、給料が上がることも充分あり得ることです。

自動車整備士の年収を上げるには?

自動車整備士が年収を上げるには、整備の国家資格を取得することがおすすめです。資格のあるなしと、資格の内容で給料が変わるということを確認しましょう。

整備の資格なしにガソリンスタンドで勤務した場合の平均年収は350万円程度。二級整備士の資格保有者になると380万円程度とアップします。

二級自動車整備士は、整備の仕事をする上で基本の資格となります。しかし高度な技術が必要である分解作業や自動車検査員としての業務をすることはできません。

二級の上には一級自動車整備士があり、仕事内容もより高度になってくるため年収も高くなります。一級は自動車整備に関する全般的な業務に加えて、高度な分解作業の知識・技術が必要になります。また他の整備士への指導もできるため、二級自動車整備士と比べて、より高いレベルのスキルと幅広い知識を持つことになります。

一級自動車整備士の平均年収は420万円程度。整備技術だけでなく年収に関しても、一級整備士の方が二級より40万円程度高くなっています。

参照元:求人ボックス公式HP(https://求人ボックス.com/ガソリンスタンドの年収・時給)

参照元:関東工業自動車大学校公式HP(https://kanto-koudai.com/blog/mechanic-income/)

まとめ

整備士の平均給料について紹介しました。低いと噂される整備士の給料ですが、自動車整備に限らず、どの業界も給料が減っていることを考えると見方も変わってくるでしょう。また自動車整備士の国家資格を取得することにより、長期に安定して高い年収を得ることができます。

整備の国家資格も多様にあり、また整備工場の規模や、ディーラーと民間工場など職場によっても年収は変わってくるので、興味がある人はより詳しく調べてみると良いでしょう。

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