自動車整備士はきつい?
きついといわれる自動車整備士ですが、その理由や不満について具体的に解説します。薄給激務とされる職場の待遇改善についても気になるところですね。最後に改善の見通しについても触れているので参考にしてください。
自動車整備士がきついと言われる理由
労働環境が悪い
自動車整備士として働く環境に問題がある場合があります。古い民間工場では、エアコンがなく車体を持ち上げるリフトや洗車機がない職場もあり、夏は蒸し暑く冬は寒さの中で、車の下にもぐり危険な整備をしなければいけないこともあります。
きつい、汚い、危険な仕事といわれる自動車整備士ですが、こういった労働環境の悪さが、さらにきつさを増す要因の一つです。労働環境はエリアや会社、店舗によって差があるのが現実で、自動車整備士がみな良い環境の職場を得られるわけではありません。
しかし、先進の設備が完備されている職場もあるので、エアコンの効く快適な環境を探して就職する方法もあります。
給料が安い
自動車整備士は給料が低く、国家資格を持つ人の給料とは思えないという声があります。手取り金額の平均は20万円程度で、ボーナスや退職金がない職場もあり、昇給もあまり見込めない場合があります。
人手不足とされる自動車整備の現場ですが、その要因の大きなところに薄給であることが挙げられるでしょう。さらに激務とされていることが自動車整備士の仕事をつらいイメージにしており、若者を資格取得から遠ざけています。
しかし、給料については残業や休日出勤の多さにも関係しているので、総合的なワークライフバランスについて考える必要があります。
参照元:オートモーティブジョブズ公式HP(https://automotive.ten-navi.com/mechanic/salary.php)
残業が多い
整備士全体の月残業時間の平均は20時間といわれています。毎日残業が1時間程度あることになりますが、残業時間は自動車整備士が働く職場によっても変わり、民間工場よりディーラーの方が残業が多いという現状です。
残業時間は残業代に反映されており、2018年におけるディーラーの平均年収は約466万円、民間工場では約358万円と100万円程度も差があります。民間の整備工場の給料が低いのは、民間の方が残業時間が短く、休日も多いことの表れといえます。民間の整備工場はディーラーと比べて勤務時間が短い分、給料も低くなる傾向にあります。
参照元:クラッチ公式HP(https://job.clutch-s.jp/knowhow/work_qa/work_overtime.html)
参照元:オートモーティブジョブズ公式HP(https://automotive.ten-navi.com/mechanic/salary.php)
自動車整備士が実際に抱える不満について
労働環境や給料は職場や人によって感じ方が違ってきますが、自動車整備士に共通の不満があります。それは肉体労働のきつさです。
自動車の整備は中腰で行うことが多く、この姿勢のまま長時間の作業を続けると体を壊してしまいます。さらに重たいものを持ち上げるので、年齢を問わず疲労がたまっていく要因になり、仕事を続けたくても体力の問題でやめざるを得ないこともあります。休日には羽を伸ばすことなく病院へ通い、体調を整えることに時間を費やすこともあるでしょう。
また自動運転技術の発達によって、自動車整備士の仕事がなくなるかもしれないと先々の不安を感じている人もいます。今は人手不足の自動車整備業界ですが、近い将来には整備士の仕事内容が変わる可能性があるということも考えておかねばなりません。
肉体労働のきつさと将来への不安から、整備士として働いてくことに不満を感じている人もいるようです。
今後は改善に進むのか
自動車業界では、薄給激務の整備士を目指す若者が減っていることが現状です。また整備工場は、従業員10人以下の企業が約70%を占めているため、予算をかけた大規模な採用活動が難しいことも人手不足の要因といえます。
日本自動車整備振興会連合会の「自動車整備白書 平成26年度版」では、約50%の整備事業場で整備士が不足しているという結果に。整備士が不足しているということは、日本の車の安全性をおびやかす事態なので、日本の社会問題となってきています。
自動車整備士不足の現状に、近年国も動き出しており、国土交通省では、平成26年に「自動車整備人材確保・育成推進協議会」を発足させました。活動内容は整備士の待遇改善と若手の育成です。
自動運転技術が進歩しても、自動車全体をチューンアップする整備士は大切な存在です。自動車整備士が安心して長く働ける職場環境を整えて欲しいですね。
参照元:クラッチ公式HP(https://job.clutch-s.jp/trend_data/date-mechanic01.html)
まとめ
自動車整備士の働く環境は悪く、残業が多い職場があり、待遇面でも不満があるようです。また肉体労働なので、体を壊し退職せざるを得ないことがあり、整備士の将来性について疑問を持つ人もいます。
しかし自動車の専門家である整備士の存在は大きく、現代の車社会になくてはならない有資格者といえるでしょう。国の支援もあるため、今後の待遇改善について期待されます。
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