2027年から資格制度が変更!どう変わる?

このページでは、2027年1月1日に施行される新たな自動車整備士資格制度を解説しています。制度を見直す理由や変更点などをまとめましたので、これから自動車整備士を目指す方は是非参考にしてください。

資格制度体系変更の背景

高度化する自動車技術

自動車整備士資格制度の体系が大きく変更される背景には、「自動車技術の高度化」がまず挙げられます。

電動車や先進安全技術の開発・普及に伴い、自動運転やEVシフトの波が今後さらに加速すると見込まれる自動車業界。しかし現行制度のままだと、内燃機関(ガソリン、ジーゼル)や制度施行時の技術が前提とされているため、新技術には対応しにくい状態でした。

今回の制度改正は、これからの自動車整備士に求められる、「高度化する自動車技術に対応した人材育成」が狙いのひとつとなっているのです。

深刻化する人材不足&高齢化問題

2027年の自動車整備士資格制度改正は、新たな自動車整備士の確保につなげる目的もあります。

自動車整備事業の従業員数は、ここ数年ほぼ横ばいで推移しています。とくに自動車整備要員に限って見ると、平成23年度には有効求人倍率1.07だったのが、令和2年度には4.50に(※)。自動車整備士の人材不足が深刻化していることがわかっています。

さらに、自動車整備学校の入学者も年々減少の一途をたどっており(※)、業界の少子高齢化も問題となっています。

※参照元:(PDF)国土交通省公式HP(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001489710.pdf)

変更内容

資格体系と試験関係を中心に見直し

2027年の自動車整備士資格制度改正では、資格体系と試験関係が中心に見直されます。これは、自動車業界の新時代に対応できる人材の育成と確保が狙いで行われるものです。

電子制御の内容を含む資格を設定

2027年の自動車整備士資格体系改正では、自動車整備士一級〜三級まで【総合】と【二輪】の2種類に変更されます。うち一級と二級は、電子制御の内容を含む資格となります。

また特殊整備士においては、「自動車電気装置整備士」が「自動車電気・電子制御装置整備士」に、「自動車車体整備士」が「自動車車体・電子制御装置整備士」へと名称変更されます。

これには、現代の自動車業界に求められる整備技術・知識が多岐にわたるため、それらを適切に整備できる知識や技能を持った自動車整備士を育成する目的があります。さらには、シンプルでわかりやすい体系にすることで、これから整備業界を目指す若者がイメージしやすいようにという狙いもあるようです。

各自動車整備士が担う役割の変更

2027年の自動車整備士資格体系改正では、各自動車整備士が担う役割も一部変更されます。例えば、今回の改正で二級自動車整備士【総合】【二輪】にまとめられたことを受け、これまで二級シャシ整備士が担っていた事業場の整備主任者を、自動車車体・電子制御装置整備士が引き受けることが可能となります。(国土交通省の定める講習を修了することが条件)。

ただし、現行制度で車体整備士資格を取得している方に関しては、新制度で自動車車体・電子制御装置整備士の資格を取得したうえで講習を受けるか、二級自動車整備士(総合)に新たに合格する必要があります。

受験資格・試験内容変更

今回の自動車整備士資格体系改正では、2022年5月より即日施行されたものもあります。それが、各自動車整備士技能検定の受験資格の変更です。電気・電子系学科卒業の学生を対象に、受験に必要な実務経験年数を短縮しました。

このほか、2027年より実施される一級自動車整備士資格の学科試験では。口述試験が廃止されます。