自動車整備士の資格試験は難しい?合格率は?
このページでは、自動車整備士資格を取るための資格試験について、各級の試験内容や難易度、合格率などの情報をまとめました。「これから自動車整備士を目指してチャレンジしたい!」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
自動車整備士試験の種類
国土交通省が定める自動車整備士試験は、国土交通省による国家試験「自動車整備士技能検定試験(検定試験)」と、登録を受けた機関が行う民間試験「自動車整備士技能登録試験」の2種類です。受験資格および試験科目は同じですが、近年の国家資格で行われているのは「2級シャシ自動車整備士」のみであることから、多くの受験生は民間試験を受けています。
3級自動車整備士の試験
3級自動車整備士試験では、学科試験と実技試験が行われます。種類は3級自動車シャシ整備士、3級自動車ガソリン・エンジン整備士、3級自動車ジーゼル・エンジン整備士、3級二輪自動車整備士の4つ。学科試験はマークシート方式30問、試験時間60分で、実技試験は試験時間30分です。
受験資格
3級自動車整備士試験を受けるためには、一定期間以上の実務経験を積む必要があります。この実務経験ですが、必要年数が学歴により異なります。
- 自動車関係学科(高校・大学)の3級整備士課程卒業:卒業と同時に受験資格付与
- 機械関係学科(高校):卒業後6ヶ月以上の実務経験があれば受験資格付与
- その他の学校:卒業後1年以上の実務経験を積めば受験資格付与
難易度
3級自動車整備士の学科試験では、自動車整備士の初歩的な知識として、以下の5分野から出題されます。
- 構造、機能及び取扱い法に関する初等知識
- 点検、修理及び調整に関する初等知識
- 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法に関する初等知識
- 材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する初等知識
- 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
また3級自動車整備士実技試験では、以下の4つの基礎的な技術が求められます。
- 簡単な基本工作
- 分解、組立て、簡単な点検及び調整
- 簡単な修理
- 簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い
合格率
3級自動車整備士試験の合格率は、直近10回の合格率が60%台〜70%台で推移しています。これは、国家資格の試験にしては高い合格率であり、難易度自体はそう高くないことが伺えます。
2級自動車整備士の試験
2級自動車整備士試験では、学科試験と実技試験が行われます。種類は2級ガソリン自動車整備士、2級ジーゼル自動車整備士、2級自動車シャシ整備士、2級二輪自動車整備士の4つ。学科試験はいずれもマークシート方式で、2級自動車シャシ整備士のみ30問60分、ほかは40問80分です。そして、実技試験の試験時間はいずれも30分です。
受験資格
2級自動車整備士試験を受けるためには、基本的には3級自動車整備士資格取得後、さらに一定期間以上の実務経験を積む必要があります。なお実務経験の必要年数は、資格の種類や学歴によって異なります。
- 2級ガソリン/ジーゼル/二輪自動車整備士
- 自動車関係学科(高校・大学):3級卒業後、2年以上の実務経験で受験資格付与
- 機械関係学科(高校):3級合格後、2年以上の実務経験で受験資格付与
- 機械関係学科(大学・専門):3級合格後、1年6ヶ月以上の実務経験で受験資格付与
- その他の学校:3級合格後、3年以上の実務経験で受験資格付与
- 2級シャシ整備士
- 自動車関係学科(高校・大学):3級卒業後、1年6ヶ月以上の実務経験で受験資格付与
- 機械関係学科(高校):3級合格後、1年6ヶ月以上の実務経験で受験資格付与
- 機械関係学科(大学・専門):3級合格後、1年6ヶ月以上の実務経験で受験資格付与
- その他の学校:3級合格後、2年以上の実務経験で受験資格付与
- その他
自動車整備士課程のある専門学校で「2級整備士課程」を修了した場合、卒業と同時に受験資格付与
難易度
2級自動車整備士の学科試験では、自動車整備士の基本的な技能や手法について、以下の6分野から出題されます。
- 構造、機能及び取扱い法に関する一般知識
- 点検、修理、調整及び完成検査の方法
- 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法に関する一般知識
- 材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する一般知識
- 図面に関する初等知識
- 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
また2級自動車整備士実技試験では、以下の4つの一般的な技術が求められます。
- 基本工作
- 点検、分解、組立て、調整及び完成検査
- 一般的な修理
- 整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い
合格率
2級自動車整備士試験の合格率は、直近10回分のデータを見ても、3月開催の分(90%台)と10月開催の分(30%〜40%)とで合格率に差があることがわかります(※)。ただ、これは10月開催分の試験が難しいというわけではなく、専門学校等卒の学生の多くが受験するのが3月というのが大きな理由。自学自習よりも、学校に通うほうが合格率を上げられることが伺えます。
1級自動車整備士の試験
1級自動車整備士試験では、学科試験(筆記および口述)と実技試験が行われます。種類は1級大型自動車整備士、1級小型自動車整備士、1級二輪自動車整備士の3つ。学科試験はすべてマークシート方式50問、試験時間100分で、実技試験の試験時間は30分です。
受験資格
1級自動車整備士試験を受けるためには、2級自動車整備士(2級自動車シャシ整備士を除く)資格取得後、自動車整備士としての実務経験を3年以上積む必要があります。ただし、自動車整備系の大学・専門学校で「1級自動車整備士課程」を修了すれば、卒業と同時に受験資格が付与、さらに実技試験が免除されます。
難易度
2級自動車整備士の学科試験では、自動車整備に必要な技能や手法について、以下の7分野から出題されます。
- 構造、機能及び取扱い法
- 点検、修理、調整及び完成検査の方法
- 整備用機械に関する初等知識
- 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法
- 材料及び燃料油脂の性質及び用法
- 図面に関する一般知識
- 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
また2級自動車整備士実技試験では、以下の4つの技術が求められます。
- 基本工作
- 点検、分解、組立て、調整及び完成検査
- 修理
- 整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い
合格率
1級自動車整備士資格試験の合格率は、直近10回分の筆記試験の合格率が20%台〜60%台で推移しています(※)。ただ、口述試験の合格率は90%台(※)であり、筆記試験にさえ合格すれば、口述試験は切り抜けられるケースが多いようです。
また、実技試験については、合格率が30%台〜70%台で推移しています。実技試験は、自動車整備士課程のある専門学校等に通えば免除されるため、より合格率を上げるためには学校に通うことをおすすめします。