車体整備士とは

このページでは、車体整備士の仕事内容や、車体整備士になるために必要な資格などの情報をまとめました。自動車整備士と比べるとあまりなじみの無い仕事かもしれませんが、れっきとした国家資格のひとつです。自動車整備士としての仕事の幅を広げるためにも、ぜひ参考にしてください。

車体整備士の仕事内容

車体整備士とは、車のボディやフレームの点検・整備・修理を行う、「自動車車体整備の専門家」のことを言います。仕事内容としては、車のフレームやボディの整備や修理、点検がメインで、ときには板金塗装などの仕事も請け負います。仕事を極めれば、交通事故などで大きく損傷した部分でも、修理・交換作業を行うことで新品のようなレベルにまで復元する作業にも携われるようになります。

また外観以外にも、車の性能面にも修復を施し、自動車を安全に走らせられるように調整するのも車体整備士の仕事です。

自動車整備士との違い

車体整備士は自動車整備士と同じく国家資格ではあるのですが、取り扱う業務が異なっています。端的に言えば、車体整備士は車の外側、自動車整備士は車の内側の整備を主に担当しています。

また、車体整備士と自動車整備士は、取得しなくてはならない資格が違います。自動車整備士の資格には、1級、2級、3級とランクがあり、さらにはガソリン自動車整備士・ジーゼル自動車整備士など細かいカテゴリ分けがなされています。一方で、車体整備士の資格は「自動車車体整備士」のみです。

なお、車体整備士、自動車整備士どちらの資格も、一度取得すれば更新の必要はなく、永久的に利用することが可能です。

車体整備士に必要な資格

車体整備士として活動するためには、国家資格である「自動車車体整備士」を取得しておくことが望ましいです。自動車車体整備士の国家試験受験資格を得るためには、以下の3つの条件のうちどれか1つを満たす必要があります。

  • 車体整備の実務経験が2年以上ある
  • 自動車整備専門学校や認定大学等の2級整備士養成課程を卒業し、かつ実務経験が1年以上ある
  • 自動車整備専門学校や認定大学等の特殊整備士課程を卒業している

ちなみに自動車車体整備士は、「特殊整備士」と呼ばれる分類の資格のひとつです。特殊整備士には自動車車体整備士以外に、「自動車タイヤ整備士」と「自動車電気装置整備士」があります。

車体整備士の給与

車体整備士の平均年収は300万円台〜400万円未満です(※1)。決して高い給料だとは言えない現状の背景には、下請け気質の工場が少なくないという現状があるようです。下請け気質の工場だと、1回あたりの単価が低く、仕事をしたことの対価もそれだけ小さくなってしまいます。

車体整備士として給与を増やすためには、自動車整備士の資格を取得しておくことをおすすめします。ちなみに、4輪をメインに扱う自動車整備士の平均年収は、420万円程度です(※2)。

なお自動車整備士学校の中には、自動車整備士課程修了後にプラス1年程度で車体整備を学べるカリキュラムを組んでいる学校もあります。気になる方はチェックしてみると良いでしょう。

車体整備士に向いている人

車体整備士に向いている人は、ある程度の忍耐力や持久力がある人だと言えるでしょう。というのも、板金塗装や車体補修などの特殊技術は一朝一夕で身につくものではなく、習得に時間がかかるものです。車好きであることももちろん大切ですが、それ以上に飽きずに物事に取り組む姿勢が求められます。

また、車体整備士はオーダーメイドのカラーリングを依頼される場面も少なくありません。そのような場面でも柔軟に対応できる様になるためには、ある程度デザインのスキル・センスを磨いておくことも必要になるでしょう。